会のご案内
当道音楽会は、室町初期に明石覚一検校が創始したと伝えられている男性視覚障害者の自治的互助組織である当道座に起源を発します。 明治維新により、江戸幕府によって公認されてきた当道の制度は廃止されましたが、明治38年(1905)に 箏・三絃の演奏家・技能継承者たちの全国団体として、本会の前身である「当道音楽会」が 菊原琴治・初代菊田歌雄らによって設立されました。 その後、箏・三味線音楽は視覚障害者のみならず女性の教養として普及・発展をとげ、当道音楽会は 昭和37年(1962)に邦楽界では唯一、社団法人の許可を文部省より受けました。 又、平成23年3月29日(登記4月1日付)には、わが国の伝統文化の維持・継承をはかる団体であることに公益性を認められ、内閣府より公益社団法人の認定を受けました。 令和5年現在、全国17支部、約2200名の会員数を擁し、毎年、演奏会や講習会など、幅広く活動を展開しています。年間事業計画
- 演奏会
- 作曲者 講習会
- 特別講習会
- 一般楽理 講習会
- 受験の為の講習会 楽理・実技
- 古典曲 講習会
- 職格試験
- 胡弓 講習会
- 組歌 講習会
地歌・筝曲界の至宝 菊原初子師
~当道音楽会に多大な功績を残して~
菊原 初子(きくはら・はつこ)
菊原 初子(きくはら・はつこ)本名:布原初。1899年~2001年。船場・伏見町生まれ。
野川流三絃、古生田流筝曲を継承する名門菊原家4代目。幼少の頃から祖父菊植明琴検校、父菊原琴治検校に厳しく仕込まれ、500曲を超える地歌筝曲を暗譜、後世に伝承した。特に40数年を費やして、日本最古の三味線音楽と伝えられる「三味線組歌」、「地歌筝曲組歌」の楽譜化やレコード収録の音源保存など、抜群の記憶力と卓越した演奏技術で地歌・筝曲の伝承と普及に努めた。その功績などで1979年重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。
また指導力には定評があり、主宰する「琴友会」門人だけでなく、品格ある芸を慕って全国から教えを乞いに演奏家が参集。秘曲等を惜しみなく教授した。その教え子は数千人ともいわれ我が国の地歌筝曲の普及に多大な貢献をした。
菊原家は祖父の代から当道音楽会の存続と活動に尽力し当会の礎を築いた。特に初子師は最晩年まで当会の名誉会長として活躍。大阪音楽大学名誉教授。文化庁芸術祭大賞、モービル音楽賞など受賞は多数。勲四等瑞宝章。人間国宝。